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[試合後談話]2017.10.29

世界チャンプもビックリ! 北海道は7KO決着

 今年2度目となる北海道でのボクシング興行「DANGAN199」が29日、札幌ススキノ・マルスジムで開催。多くの北海道出身ボクサーが熱戦を繰り広げ9試合中、7試合がKO決着となった。メインイベントでは札幌市出身の日本スーパーバンタム級4位の渡部大介(26=ワタナベ)が登場。同級8回戦で岡本ナオヤ(29=東京拳闘会)と激突した。会場にはIBF世界ミニマム級王者の京口紘人(ワタナベ)が姿を現しリング上で挨拶。観客から声援が送られた。
狙いすました右が炸裂!
 初回、岡本は距離を詰めた渡部に強烈な打ち下ろしの右フックを決めると痛烈なダウンを演出。あまりの衝撃にレフェリーはノーカウントでストップした。ランキング初挑戦の岡本がワンパンチKOで勝利の雄たけびをあげた。
京口紘人(ワタナベ)
 試合を観戦した京口は「渡部選手の体が温まる前に当たったパンチで、岡本選手は相手をよく研究した。右がドンピシャでハマった。これがボクシング」と感想を語ると、「勝ちに貪欲な選手が多くて熱い試合が多かった。地方から世界を目指して頑張ってもらい、ボクシングを盛り上げてくれたら。東京のリングに上がり活躍する選手が現れたらいいですね」と興行全体の感想を口にした。
北海道の夜を満喫したい
 敵地で殊勲の勝利を挙げた岡本は「相手が飛び込んでくるのはわかっていたので打ち込むタイミングを狙っていた。ダウンを奪った瞬間、立ってこれないなと思った。信じられない気持ちです」と声を弾ませた。大正13年に設立し、現存するボクシングジムでは最古の歴史を持つ東京拳闘会から約20年ぶりの日本ランカー誕生となる。「70歳になる会長が体調が悪くて試合に来られなかったので、帰って結果を報告するのが楽しみ。これからは日本タイトル、東洋タイトルに標準を合わせて精進していきたい」と抱負を口にした。
初勝利で一安心
 セミファイナルでは千歳市出身でアマチュア60戦のキャリアを持つ遠藤清平(22=RK蒲田)がスーパーバンタム級6回戦でニンモンコン・ペットプームジム(20=タイ)と対戦。初回に右ボディでダウンを奪うと、続く回に2度のダウンを追加し2戦目で初勝利を挙げた。

 控室で安堵の表情を浮かべた遠藤は「デビュー戦でタイの選手にKO負けし、今回は負けられない気持ちと地元での試合ということでプレッシャーはかなりあった。相手の動きを落ち着いて見ることができた。ガードが空いているところを打ち込んだ」。「デビュー戦の結果は消えないがここからがスタート。今回の試合の反省を踏まえて来年はA級に上がり、タイトルを狙える位置まで自分を高めていきたい」と喜びに浸った。 
左:若林 右:東はともに札幌市出身
 地元・北海道畠山ジムからは4選手が出場。ミニマム級4回戦では若林耕(31)が柴田洸弥(21=高崎)を相手にデビュー戦、2戦目となる東祐也(18)は小川将太(20=UNITED)対戦した。若林は左ボディを中心に攻めて2度のダウンを奪うKO勝ち。東は小川のプレスをジャブで止めて右ストレートからの連打でストップに持ち込んだ。この日、畠山ジムは3勝(2KO)1分けと勝ち越した。

 デビュー戦をKO勝ちした若林は「勝てたことにホッとしているが、ジャブが少なかったのと自分をコントロールできなかったので点数は50点」と反省の弁を述べた。アマチュアでの経験があるという若林は一度ボクシングを引退。しかし、ここで辞めたら後悔するとプロに転向した。「派手に勝つのではなくコツコツと勝っていき、出来れば来年の新人王トーナメントに出場したい」と決意を口にした。
 一方、2戦目で初勝利を味わった高校生ボクサーの東は「会長やトレーナーたちみんなで作り上げた大切な1勝。これは僕の宝物です。ここから勝ち続けます」と目を輝かせると、「来年の新人王トーナメントに出場して優勝したい。東京の目の肥えたお客さんに北海道に東祐也という選手がいることをアピールしたい」と拳を握った。

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